「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を読んだ

こんばんは。今日は村上春樹のこちらの本読み終えたので、感想書いていきます。

 

すげぇ面白かった。上下巻合わせて約900ページあったけど、ずっと飽きずに読めた。村上春樹は好き嫌いが分かれる作家だとよく言われるし、自分も正直、頻繁に登場する物語となんの関係もない洋楽や洋書名、性的な話は好きじゃない。でも、村上春樹にしか書けない文章はやっぱり魅力的で、定期的に読みたいと思ってしまう。

ちなみに、今まで読んだことがあるのは「ノルウェイの森」「騎士団長殺し」「ダンス・ダンス・ダンス」「風の歌を聴け」。騎士団長殺しを読んだ時は、中盤まで面白かったのに終盤の意味が全く分からず、あまりにも投げっぱなしでがっかりした。ただ、今回の「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」は最後まできれいにまとまっていて、読み終えた後も満足感があった。

 

内容に入っていくと、ファンタジーの世界とSFチックな世界を交互に体験していく。物語の全容が分かるまでは不可思議なものがどんどん登場して、これは何を意味していくのか気になりワクワクしながら読めた。世界の全容が見えてくると、自分の心の内側を見つめなおす、内省的で考えさせられる内容だった。

 

まさしく上質なフィクションだったね。美しい情景描写から紡がれる変わった世界を感じながら、展開にワクワクし、時に人生の本質を示すような文章にハッとさせられる。

本当に良い本を読んだ満足感っていうのは永遠に残るものだが、またそういう本が増えて嬉しい。