「長い一日」を読んだ
どこまでも伸びる一日。そして過ぎてみれば、たった一日。 p215
小説の体裁をとっているが、エッセイのような内容になっている。小説家の夫と妻を中心とした穏やかな日常が流れ、大きな展開はなく終わった。ほとんどの一日がそんなもん。
でも、一日のなかの些細な出来事、ふとした感情、脳裏によぎる記憶、そういったものを小説のように丁寧に書き出していくだけで、こんなにも面白くなるのかと感じた。
日々のなかでふと思うことが別の日に感じていたこととつながったり、些細な出来事が気にもかけてなかった過去の記憶を呼び起こし、予想外の方向に思いが膨らんでいったりする。
これは日記やブログ書かれているような方だったらきっと共感してもらえると思うし、そうやって日々の些細な出来事から、毎日をゆっくりと味わっていきたいもんだね。
以下、印象に残った言葉
ごくたまに訪れる、ああいまはいい時間だな、今日はいい日だな、と思える瞬間のおかげでどうにか生き延びられる気がする p282