「透明な夜の香り」を読んだ

こんばんは。金曜夜の解放感で、読みかけの本を一気に読み終えられた。

感想書いていきます。

何も知らずに、表紙とタイトル買いで読み始めた。多少そんな気はしていたが、想像よりもずっと女性向けな印象だった。

「匂い」や「香り」をテーマに物語が進んでいく。思えば、「香り」は目に見えないけど、それを放つ物体をよく表し、印象を変化させるから面白い。人間だって、つけてる香水でその人への印象が変わる。その人本来の匂いも、食べてるものだったり、汗をかく習慣の有無だったりで変化する。匂いは、想像以上にいろんなことを教えてくれる。

 

物語の中にある言葉だけど、香りと記憶は密接に関係しているそうだ。

香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記憶される

けれど、その永遠には誰も気がつかない。そのひきだしとなる香りに再び出会うまでは P238

例として出てくるのは、濡れた土のような香りを嗅いで、小さい頃にカブトムシを捕った記憶がよみがえるみたいな。

自分にとっての忘れられない匂いとはなんだろう。毎日飲むコーヒーの香りは好き。でも、そういうことじゃなく、もっと強烈に記憶を呼び起こされるような。パッとは思いつかないな。

そもそも、日常で匂いなんて気にしたことなかった。せいぜい自分の体臭には気をつけるくらい。もっと日常の香りに意識を向けていきたくなった。きっと忘れている思い出に出会える気がした。