「同志少女よ、敵を撃て」を読んだ

こんばんは。たった今こちらの本を読み終え、何ともいえない感情を味わっている。

凄い本だった。「作者がやりたいこと全部載せ!」って話で、その熱量が伝わってきた。

 

女性狙撃手の視点から見る戦争モノ。登場人物に感情移入すればするほど、戦争の悲惨さが胸にくる。敵への憎悪がどんどん膨らんでいく。

でも、時たま別視点から見ると、こうも見えるのかと、やるせなさを感じた。結局、負の感情だけが積み重なっていく

 

この本から何を得て、何を自分の中に取り込んでいくか、うまく咀嚼できない。敵とは、命とは、戦時における女性とは、物語中に様々な問いが散りばめられ、主人公と共に悩み、過酷な日々を駆け抜けた。その果てのものって、いったいなんだったんだろう。

極限状態では人は、自らを正当化して、何かを支えにしてないと生きていられない弱い生き物。それと同時に、何か一つでも支えを見つけたら、とんでもない強さを発揮する。ただそこにある人間の本質を感じながら、読み終えた後に呆然とさせられる作品だった。