「夜明けのすべて」を読んだ

こんばんは。今日はこちらの本読み終えたので、感想書いていきます。

瀬尾まいこさんの本は、前に「そして、バトンを渡された」を読んだことがある。とても温かいお話を書かれる方なんだなと思った。こちらの本も、出てくる人がみんな優しくて温かみに満ちた話だった。

ただ、主人公2人が悩む病気や症状(PMSパニック障害)は優しくない。当事者ではないが、それに苦しんでいる描写は胸が苦しくなった。普段当たり前にできていたことができなくなる。自分ではコントロールできないことで、周りに迷惑をかける。自分自身も障害枠で働いて周りに助けてもらっていることもあり、共感するところがあった。

 

病気とか障害は誰のせいでもない。それでも、周りに負担をかけることはやめられず、時に誤解され責められ、自分なんていない方がいいと思う時がある。そもそも、誰にだって悩みはあるし、それで恥をかき、消えてしまいと感じる時はきっとある。

けれど、周りから見たら、悩みを抱えながら日々一生懸命生きている人を否定する人はいない。辛い状況の中でも、少しでも前を向いて生きている人が居ちゃいけない場所なんてない。そう思うと、自分だって生きていていいのだと思える。そんなふうに勇気づけられた。

 

悩みとか不安は、なかなか当事者にしか分からないことが多い。接し方も人それぞれで正解がない。でも、「ここにいていいんだよ」という優しさを相手に見せることだけはきっと間違いないんじゃないかと、そんなことを思った。