孤独の解消法

こちらの本読みました。

会話術のようなタイトルだけど、本質は孤独との向き合い方について書かれた本だった。

 

人間関係においては、相手の話をしっかり聞くことが重要。けれど、相手の話を聞ける状態というのは、ある程度心に余裕がある状態。自分のことで精一杯の時に、相手の話をじっくりと聞いている余裕なんてない。特に国が対策する五大疾患に精神疾患が入っている現代では、メンタルヘルスが社会問題になっている。不安を抱えている人は多い。

でも、結局のところメンタルヘルスの本質は「つながり」。誰にだって自分の話を聞いてもらっただけで心が軽くなった経験は一度はある。だから、「聞く技術」の前に「聞いてもらう技術」が大切になる。

 

ただ、「聞いてもらう技術」といっても、そんな難しく考えるものでもない。苦しい時に周りに「ちょっと聞いて」と言えるだけのことだったりする。でも、それが難しい。

だから、普段余裕のある時は相手の話を聞く側にまわる。「なにかあった?」と尋ねてみる。自分が辛い時は「ちょっと聞いて」と聞いてもらう。そういう循環、関係性が大事だという話。

 

メンタルヘルスの問題を扱ってるだけあって、著者の優しさを感じる本だった。メンタルヘルスの問題がこれほど深刻になった原因にネットやSNSの普及は大きいと思うが、見ず知らずの人と簡単につながれる社会になったせいで、孤独を感じる人が急増しているのは悲しい話だと思う。他人と比較して落ち込んだり、承認欲求のために自分を大きく見せたり、無料で匿名のSNSだと人間の悪い部分ばかり目に付く。画面の向こうに人間がいるっていうのを忘れちゃうんだろうね。

それに、身近な人とのつながりのありがたさも改めて感じた。何かあった時に相談できる相手がいるというのは、なによりも心強いことだと思う。